最近、立て続けに同じようなことがあったので、こんなことやってると不動産業者から相手されなくなるし、いい物件も買えなくなりますよということをお伝えできればと思います。
（ただメチャクチャ心の広い業者もなかにはいらっしゃると思いますので、あくまで個人的な意見として述べさせていただきますね）

 

とある仲介業者様を通じて弊社にご連絡があり、購入検討したいので内覧させてほしいとのこと。
もちろん快諾し、後日内覧していただきました。

この物件は弊社売主の物件。 
事前に伺った話では収益物件を購入するのは初めてとのことで、私自身も初めて購入した1棟目はとてもいい条件で購入させていただきその後の運営がすごく楽で助けられましたので、少しでもその恩返しをと思い、多少の指値だったら応じるつもりでした。

3日後、仲介業者様から電話がかかってきて「○○の収益物件、買い付けいただいたんですけど・・・」
けど？と思いながら「ありがとうございます！では買付証明書をメールかFAXで送ってもらえますか？」と伝えたら、申し訳なさそうに「いや、、、怒るかもしれないのでそちらにお持ちしてもいいですか・・・」

売出価格は7000万円だったので、6700万円くらいまでだったらいいかなと考えおり、
「怒るといっても指値が入るの6500万円くらいだろうな～。交渉で6700～6800万円で落ち着きそう」と思っていました。
数十分後、仲介業者様が来られて買付証明書を渡され、怒りを通り越して笑ってしまいましたwww

その価格なんと、5000万円！！！ 
仲介業者様もまさかそんな金額を書いて持ってくるとは思っていなかったようで、 私に伝えるかどうか迷ったみたいです。私とは数年前から付き合いがありましたし、金融機関経由でのご紹介のお客様ということで本人から直接受け取ったわけではなかったので持ってきたということでした。

私としてはこのようにネタができたので全然OKです♪

ただこの5000万円という金額、理由がないんです。こちらとしてはこれがどういう意図なのかを汲むことができませんでした。
これだけの指値をすればちょっとでも安くなるだろうと考えたのか、この金額でないと買えないのか、こちらとして検討する材料がないんです。

その後、6900万円ならいいですよとお返事したら、予算が5500万円とのことｗ

もちろんお断りさせていただきました。
  
 

その土地は300坪ほどあり、雑草が生え、大きな木も数本あり、上下水道の引き込みもありません。 
住宅用地としては少し広すぎるといった感じで、今後のメンテナンスもかかりそうです。

売主様には整地して売り出した方がいいのでは？とご提案しましたが、現状渡しをご希望でしたのでそのまま売り出すことに。

とある日、Ｂさんから土地に建ててある看板を見たとご連絡をいただき、ご来店いただきました。
現地はご覧になられたとのことなので、この日は用途地域や上下水道の状況などのご説明をして、検討しますと帰られました。
数日後、「相談があるので伺ってもいいですか？」とご連絡をいただいたので再度ご来店いただきました。

その土地は1500万円で、Ｂさんは800万円でしたら購入したいですと。
理由は、住宅を建てるために整地するのに○○万円、上下水道を引き込むのに○○万円、歩道の縁石を広げるのに○○万円かかるからその分を差し引いて800万円にしてほしいとのことでした。

これを売主様にお伝えしましたが、ご契約にはいたりませんでした。 
 

誤解のないように申し上げますが、価格交渉がいけないといっているわけではありません。

この2件の例、どちらもかなりの割合の価格交渉をしてきています。
一見、どちらも嫌だなと思われるかもしれませんが、このような状態で物件を探していくと相手にされなくなっていくのはAさんです。

Bさんは1500万円の物件を800万円にするのにしっかりと理由を述べました。
これはもちろんBさんの予算というのも入っているでしょうが、購入希望者がこのようなことを望んでいるという生のお声を売主様にお伝えすることができます。なのでもしこのまま売れなかったときに、「こういう声が多かったから少し価格を下げようか」とか「雑草くらい抜いてきれいにしておこう」など対策ができるわけです。
もしかしたら先々は800万円で売ろうとなるかもしれません。 
また不動産業者としては、Bさんはこの予算、このような状態で買いたいんだなとわかるので別の物件のご紹介もできます。 

ところがAさんは理由もなく2000万円の値引き交渉。Bさんのような理由を述べることもできたはずです。
（仮に修繕費用など述べられたとしても2000万円には全然ならないんですがｗ）
不動産投資の本を読んだことある方はわかるかもしれませんが、10年ほど前の本には「大幅な指値をして買え！」みたいなことが書いている本が多々ありました。おそらくそういうのを見て指値したのかなと推測してます。
そのころとは状況も変わっているし、地域性も違うので、すべて鵜呑みにするのは危険です。。。

Aさんはこのような接し方を続けていくとどんどん相手にされなくなります。
そもそも無茶な価格の交渉は通るはずもないので、普通はわざわざ売主様にお伝えもしません。
そんな中で「物件紹介してほしい」と言われても「どうせあの人指値してくるし」となるので紹介したい人の優先順位がかなり下がります。 

不動産売買の現場では、売主と買主が直接会って価格交渉をするということはほとんどありません。
だからこそ相手への伝え方というのは大事になってきますし、我々もかなり気を付けてお伝えするようにしています。 
ご自身がどう思っているのか、相手はどのように感じるのかを考えて交渉することで良い物件に巡り合える確率は高くなるはずです。